これからどうします?

修羅の国・福岡で生きる30代独身女。家計簿、投資、一人暮らし、遠距離恋愛。

「仕事には行けるけど、休みになると体が動かない」私がカウンセリングに行った話②

春山です。 こんばんは。

前回の記事、ドン引きされたらどうしようと少しビビッてたんですが、スターなどもいただけてありがたい限りです…!

公開時点から今までも、また色々動きがあったんですが、現在のところ私はまだ普通に働いております。というか今日も土曜出勤でした。

というわけで、性懲りもなく前回の続きです。今回も常体で書いてますが、自分に酔った文章になってないかが不安…。文体変えるだけでこうも書き方が変わるものですね。ではどうぞ。

自死の話が出てきます。

 

金曜日の夜、カウンセリングサービスにメールを送った。返事が来たのは翌週の月曜日の午前中だった。職場のトイレでこっそりスマホを取り出し、メールを眺めた。とても穏やかな返信だった。私のとりとめない相談メールに対して、誠実に対応してくださっていることがよく分かり(私は性格がひねくれているので、文面を見て、返信の仕方にはある程度マニュアルがあるんだろうな…と穿ったことも考えたが)、少し安心した。送った相談メールには死をうっすら考えていることも書いていたので、その点にも触れられていた。心配です、と書いてあって、なんだかとても恥ずかしかった。

――可能であれば、今日か明日にでも面談に来ませんか。

返信の結び近くに書かれたこの文句を見て、ずいぶん急な話だなとびっくりした。そんな突然に相談にいっていいものなんだろうか。それともそんなに急がなきゃならんほどヤバいことを私は書いて送ったのか?恥ずかしいやら情けないやら戸惑うやらで、どうしていいか分からなかった。

でも、そうか、今日行ってもいいんだ。「受け止められている」感じに、ほんの少し光が見えた気がした。が、今日は月曜日。週の中で一番業務の処理量が多い日だ。残業必須だから、カウンセリングルームが開いている時間には行けそうにもない。翌日は業務後に職場の研修会が入っている。無理だ、今日明日では行けない。

「まあ、仕方ないわな」。私の諦めは早かった。何しろ、今日も仕事をこなせているし。職場環境は相変わらずクソだけど、この調子なら、急いでカウンセリング受けなくても大丈夫そうだな。切羽詰まった相談して申し訳なかったな。私はスマホを閉じた。一度目の相談はこうして終わった。

そのあと、私は何のアクションも起こさなかった。カウンセリングに行くことは決めたが、具体的な予定は立てず、メールへの返信もしなかった。

いけると思った。変わりなく出勤できている。残業もこなせる。お客様にも課のメンバーにも笑顔で対応できる。ただ少し疲れているだけだ。今月は三連休もあるし、夏休みもとれる。そこでゆっくり休んだら、きっと大丈夫だ。私は、冷静に自分を把握できている。大丈夫大丈夫。いけるいける。

 

夜には9%のチューハイを好んで買っていた。手っ取り早く酔えるのが良い。いい具合にアルコールがまわったところで、懲りずに自死の真似をした。前回の失敗を経て、今度はドアノブにタオルをかける首つり方法を試してみた。しかしタオルが解け、あえなく失敗した。じゃあマンションから飛び降りてみようとベランダに出た。煙草を一本吸い、下の道路に人がいないことを確かめた。そこまでは良かった。が、ベランダの柵を乗り越えるため、まず物干し竿に手をかけてしまった。これが間違いだった。身体を乗りだそうとした瞬間、物干し竿がパカーン!と外れた。私は思いっきりバランスを崩した。狭いベランダで転びそうになり、慌てて体勢を持ち直す。なんじゃこりゃ。何やってんだ私は。段々笑いがこみ上げてきた。バツが悪くなって部屋に戻った。結局その日も死ななかった。

自死が失敗続きに終った後、ふと思い立って実家に連絡した。母といろいろな話をした。冬に子どもが生まれる弟夫婦のこと、母の日も父の日も何もしてなくてごめんということ、姉夫婦の転勤のこと。私の職場の状況のことも、母は心配していた。

「あんた、そんなんで大丈夫ね?ちゃんと寝れとる?」「全然大丈夫よ、ちゃんと寝とるし、ごはんも食べよるし」「あんまり無理せんごと」「はいはい」

あー嘘をついてるなあ、という罪悪感は少しあった。でも、私ももう30過ぎだ。辛いのしんどいのといって、親を心配させていい歳ではない。ははは、と笑い、大丈夫大丈夫と繰り返した。いつからいたのか、母の声の後ろから父の声がした。元気ね〜?と悪ふざけのように尋ねる父は、なんだかとても上機嫌だった。時間ができたら帰省します、と伝えて電話を切った。もしこのあと私が死んだら、両親にとって、これが私との最後の会話になるんだな、とぼんやり考えた。酔っ払っていたのかもしれない。

 

三連休は相変わらず無気力だった。5月時点で予約を入れていた美容院には行ったが、それ以外のことについては何のやる気も起こらなかった。連休すら無駄にしてしまうという焦りと、疲れてるんだから体をやすめなければいけないという焦り。2つの焦りが、ステレオ音声のように、同時に襲ってくる。何かしなくては、何もしてはだめだ。休んでたらもったいない。もっと休まなきゃ。どちらを選ぶにしても、気力や覚悟が沸いてこなかった。

初めにカウンセリングサービスからメールをもらったとき、私は残業をぶっちぎってでもカウンセリングを受けるべきだった。後出しでこういうことをいけしゃあしゃあと述べるのは、自分のことといってもなかなかに卑怯な気がする。でも、あのときは、いけると思っていた。いけるいける、大丈夫大丈夫。そうなだめすかして働いていた私の体は、連休明け、あっけなく動かなくなった。

 

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