これからどうします?

修羅の国・福岡で生きる30代独身女。家計簿、投資、一人暮らし、遠距離恋愛。

過疎地育ちが都市に思うこと、さようなら天神ビブレ

こんばんは。春山です。

福岡で、いや九州で一番賑やかなまちと言っても過言ではない福岡市の天神地区。

ここに、天神ビブレというファッションビルがあります。隣に建つ天神コアと共に、「若い人が買い物に行くところ」として44年間営業してきました。

www.nishinippon.co.jp

2020年2月11日。天神の再開発に伴い、ビルを解体することが決まった天神ビブレが、閉店を迎えました。

 

それにかこつけて、天神に遊びに行ってきました。

天神ビブレ閉店

ビブレには大型のGUが入っていて、よくお世話になりました。地下の靴屋「No Fall」で仕事用のパンプスを買っていたし、一人暮らしを始めたばかりの頃は雑貨屋「Cou Cou」でハンガーやタオルをまとめ買いしたものです。

最上階にはいわゆるゴスやロリのお店が集まっていて、V系にハマっていた頃はドキドキしながら覗きにいっていたものです(すでにいい歳だったので流石に買えなかった)。MINTNeKOに本命バンドのメンバーのポスターを見に行ったのも懐かしい……。金爆の淳くんが握手会やっていたのもビブレだった気がします。私はその日、ビブレの横の福岡市役所前広場で仕事していました。ビブレ横に行列をなす「仲間っぽい人々」の楽しそうな姿をダサいスタッフジャンパー姿で歯噛みしながら眺めていたのを覚えています。

入り口には最終日の字が。マスコミっぽい人たちが入り口にワラワラいました。中では閉店セールがにぎやかに行われていて、アクセサリー2点で300円!とかやってました。ちょっと気になったけど、人が多くて退散。

お昼時だったので、ビブレのちょうど向かいのビルにある「博多ラーメン 膳」で昼ご飯です。

もやしラーメン370円バリカタにきくらげトッピング50円。計420円。安い。あっさりして美味しかったです。

アクロス山から街を見下ろす

ラーメンの腹ごなしに、ここへ行ってみることに。

アクロス山」こと、アクロス福岡ステップガーデンです。「九州ウォーカー」で「都心の真ん中でプチ登山できる」と書かれていたことを思いだし、天気もいいので登ってみることにしました。

木々が生い茂る中、ヒール付パンプスで階段を上ること数分。

屋上庭園につきました。この屋上庭園は土日祝だけオープンしているようです。

見晴らしがよくて気持ちいい!想像以上の眺めだー!

空港がめちゃくちゃ街中に近い福岡は、ビルの高さに制限がかけられています。だから、こうやってそこそこ高いところに登れば、周りの風景がぐるっと見渡せます。海を挟んだ向こうにある水族館・マリンワールドも見えました。

天神の街を撮影。ビブレも、来月で同じく閉店となるコアも入れて撮ってみました。このあたりの風景もどんどん変わってしまうんだろうな。

福岡という都市に思うこと

まるで「ビブレは私の青春でした」みたいな書きぶりですが、私は生粋の福岡人ではありません。「福岡に憧れる非・福岡の九州民」として過ごした時期のほうが長い奴です。中学三年生の時に、初めて友人同士で福岡市に行くという「冒険」をして、西鉄天神駅に降りたとき、「ビ……ビルばっかり!!」と驚いたことを今でも覚えています(たしか、キャナルシティ博多のGAPに買い物に行ったな……)

その後、大学進学で東京に行き、「ロフト」「東京ハンズ」「マルイ」という「福岡にすらないお店たち」を始めて目の当たりにして、「九州と、ていうか、福岡と東京ってめちゃくちゃ遠いんだな……」とぼうぜんとしました。

東京にずっといたいという思いは就活の失敗で完全に打ち砕かれ、後ろ髪を思いきり引っ張られながら、私は九州の非・福岡のド過疎地へ戻りました。そして心身を壊して仕事を辞め、転職し、かつて「ビルばっかり!」と驚いた福岡の端っこに住み始め、ついに8年になりました。私が東京に魅了され、そこから転げ落ち、人生が嫌になり、方向を変えてまた生活を始める間に、天神と博多にはロフトもハンズもマルイもやってきました。「パルコがあるとは熊本だけばい!」と熊本県民が心のよりどころにしていたパルコも、どどんと天神に開店。みるみる間に増床し、今では天神エリアで最大の売り場面積を持つファッションビルになっているそうです(そして熊本パルコも今月末で閉店する。どちらかというと私の人生の大半は熊本パルコだったので、とても寂しい)

眼をそむけたくなるほど衰退していく地方のまちで生まれ育った私は、「死んでいくまち」で過ごすことがとても怖いです。豊かな自然もなく、ただただ空き家と駐車場がバカでかいパチンコ屋だけが増えていき、道を歩いても人とすれ違わない「死んでいくまち」に根を張ることが嫌でした。「死んでいくまち」で生まれて暮らして死ぬ人がいることを目の端に認めながら、自分はそうなりたくなくて、ひたすら逃げてきた人生だった、とたまに思います。

都市が好きです。絶えず変化して、古いものも新しいものもばんばん入れ替わり、「あれ、そういえばここには前に何があったっけ?」と思う場面がたくさんあるような都市が好きです。夜になっても老若男女がたくさん歩いていて、光がギラギラに溢れていて、自分の横にいる人が誰なのかよく分からない街が大好きです。

なんか妙にセンチメンタルな話になりました。

1~3年くらいのスパンで住む街を転々とする暮らしができたらなあと最近思います。今年は福岡、来年は金沢、次は仙台に住もうかな、冬は沖縄で初夏は北海道で過ごそう、みたいな。先立つものは何もないし、それとは真逆の地域密着必須なお仕事しててどの口が言う、って感じですが。

さよなら名代ラーメン、さよなら天神ビブレ

話はビブレに戻りまして。よく通ったビブレ地下の「名代ラーメン」に、先週、食べ納めに行ってきました。

皿うどん600円なり。

会計時、お店のおばちゃんに「どこにも移転しないんですか?」と尋ねたところ、「そー、何も決まってないんですよー」と言われました。残念過ぎる……。博多駅の名代ラーメンよりも入りやすくて、しかも皿うどん(大好物)もあって、よく使わせてもらいました。思い返せば遠距離恋愛にモヤモヤしていた去年の年末にも食べにいってました。ギョーザも熱々で美味しかったなあ。

名代ラーメンさん、お世話になりました。ありがとうございました。

 

というわけで、だいぶ私的な天神ツアーでした。 

天神の商業施設が一斉に出した、ビブレとコアへのお別れメッセージ。天神地下街のこれが、未来があって切なくて素敵でした。「時を越え、また天神で 巡り会いましょう」。新しいビルができる頃の天神は、どんなふうになっているんだろう。

 

さようなら天神ビブレ

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

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